私が幼稚園の頃、国立市に行った時の事です。
大学通りを母と一緒に歩いていると、母の知り合いにばったり逢い、いつもの如く母の立ち話が始まりました。 私は何度も「まだぁ」と言っては催促しましたが、
母の耳に届きません。 お正月でしたので、通りにはお店が並び楽しむ人々で賑わっていました。
人々の往来を見ていると、ピンクの着物を着た女の人が、はるか向こうの方から歩いて来るのが見えました。
今と違って着物を着ていても、珍しくなかったのですが、その時は妙に気になって、見え隠れするその女の人を、目で追っていました。
徐々に顔も、はっきりと分かるようになってきた時、女の人も私の事を目を反らさず、ジッと見ているのが分りました。 すぐ側まで来た瞬間、 「あっ、どこかで見た事がある」・・と、そう思いました。
女の人は通り過ぎた後も、見えなくなるまで私のことを、、振り返り振り返り何度も見ていました。 私は恐くなり、母の裾を引っ張って「お母さん、お母さん!見て!」と言いましたが一向に見てくれません。
「何であんなに私の事、見ていたんだろ。 でも、キレイな人だったなぁ」と、、
母の話も終わり、その話をする事もなく歩き始めていると、ある病院に着きました。 「今日はお見舞いに来たのよ」と母。
受付を済ませ病室の側まで来ると、泣き叫ぶような声が聞こえてきました。
母は私に、 「あなたは、ここで待っていなさい」と、 その病室のドアを開けた瞬間、「あっ!さっきの女の人だ!」
その後、暫く経ってからこの事を急に思い出し、母に話してみたところ、その女性は遠い親戚にあたる方で、あの日、女の赤ちゃんを、死産してしまったそうなんです。
でも何故、会う前に私は見たんだろ、、 母はその後続けて「あの人はよく言ってたの、あなたみたいな女の子が欲しいって・・」
この出来事が私にとって、スピリチュアル体験の始まりだったような気がします
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