🍀認知症の母【その12】介護の日々・・愛情と感謝の絆　#認知症の母#人生トントン説

施設に入っていた父が緊急入院する事になりました、、

その頃の父とは、面会に行く度に、買い物したり、父の大好きな外食をしたりして、私も楽しい時間を過ごしていました。

とにかく父は、外食の濃い味が大好きで、毎日の施設の食事は半分も手を出さないのに、外食の唐揚げ・ピザ・ナポリタンになると、バクバクと全部平らげちゃうんですよ。　しかも、胃を全適してしているのにも関わらず！　施設の方がこんな姿の父を見たら、憤慨しますよね(-∀-;)

でも、思うんです、、あれも食べちゃいけない、これも食べちゃいけない、お酒も飲まないように！なんて言ってたら、何が楽しみで生きているのか、、この年まで頑張って生きて来たんだから、好きな物を楽しんで食べた方がいいんじゃないかって、、

現に父は、胃の手術をした後、どんどん元気になってきているし、食事の度に「（私）と食事をするのが一番の楽しみだよ」と言って、ビールやハイボールを昼間からお代わりして飲んでいましたから、、^^;

そんな元気な父でも、術後の通院や【前立腺ガン・大腸ガン】の疑いがあるという事での検査検査で疲れ果てていました。　そんな頑張っていた父の心臓が、いよいよ悲鳴をあげ、ペースメーカーの手術をするようにと、お医者様から告げられました。

これは大変！手術の事も心配ですが、それ以上に不安な事は、以前入院した時に一過性の認知症の症状が出てしまったんです。　手術の不安と環境の変化で、幻覚・幻聴・徘徊・暴力とで、ベットに拘束せざるを得なくなり、その事で症状も悪化してしまうと言う経験がありますので、今回も出てしまうではないかと、とても不安になりました。

結局予想通り、入院したその日から症状が出はじめたので、付き添いたいと言うお願いした所「ご家族が側にいて頂けると助かります」と許可して頂き、朝から夕方まで介護する事になりました。

私が朝着く朝食から昼食くらいまでは、私の事を娘だと理解できず、看護師さんだと思っています。　私もあえて娘だとも言いませんし、逆にしっかり看護師になりきって「〇〇さーん、具合どうですか。検温の時間ですよ。ご飯の時間になりましたよー」とか言って私も楽しんで接していました(笑)　　そうこうしている内に「いつ来たんだ」と、突然正気になるんですよ！(笑)　「私は朝からいたわよ～」ですよね！

そこからは、トークトークの嵐で！　気をしっかり持たせないと、また闇の世界に引き込まれてしまうので、こちらも必死です、、

それでもやはり限界が来てしまい、夕方になると見事に豹変してくるんです！ (´Д`;)
父親ですけど本当に恐いんです！

夕方近くなると、顔つきが徐々に変わり、酸素のチューブや点滴を外そうとします。　胸には手術をしたばかりのペースメーカーがあるし、それに手を掛けるのじゃないかとヒヤヒヤです、、　ここまで来ると、腰・手首・手袋と拘束が始まります。

拘束された後も、更に精神状態は悪化し、大声でわめき出します！　「なんでこんな事するんだー！」「お前もお父さんを殺す気かー」「誰か助けてくれー！」などなど、、こうなるとカーテン越しに、父のチューブが外れないか見守るだけ、、
どこからあの力が出てくるのか、老人とは思えないような凄まじい力でした。
そんな騒ぎも力尽き、静かになった頃に様子を見計らって帰るという・・

毎日がこの繰り返しで、また、父のいる大部屋というのは、問題ある患者さんを集めた部屋で、その中でも私の事を完全に看護師さんだと思ってる方がいらして、食事の度に「これ食べたから下げてくれ！」「熱がある！」「これを妻に渡してくれ！」とか言ってくるんですよ。

看護師さん達も「この方は看護師ではないので頼んじゃいけませんよ」と言われるのですが、私的には嫌いじゃないので、「はい、今お下げしますね」「奥様にお渡ししておきます」とか言って私なりに楽しんでお手伝いしていました。^^;

そんな介護生活でも、楽しみがあるんです！！　食堂での昼食と珈琲タイムです！　いやぁ～　実に美味しかったです！　しかも安いし！　日替わり定食が美味しいのなんのって！　毎日食べに行っているので、終いには食堂の方に「あなた毎日来て長い間看病してるわね、偉いわねぇ」とか言って下さって「美味しくて、毎日来させて貰ってます！」　そんな些細なやり取りが楽しくて嬉しくって、小さな幸せを見つけていました。

そんなこんなで、徐々に父の様子も落ち着き、朝も拘束されていない時が増え、看護師さんが「昨日は脱走兵さんも落ち着いてましたよ」なんて言われてました！^^;
「お父さん、脱走兵ってあだ名がついてるよ！(笑)」
「ひでぇなぁ～」　本人、暴れた記憶まったくないですから！(-∀-;)
とりあえず、精神的にも安定し、ようやく退院する事ができました。

父を施設に送り届けて家に戻ると、娘が私の事を見て、「お母さんの後ろに御光が差してるよ」って言ってくれたんです。　その言葉を聞いた私は「あぁ、こんな優しいことを言ってくれるんだ、もったいないっ、ありがたいなっ、また、頑張れる！」と心から娘に感謝しました。

父や母にも「（私）が居なかったら、何にもできない、生きていけないよ」「神様のようだ」と、言って手を合わせてくれたんです、、嬉しくて、有難くて、疲れが一気に吹っ飛んじゃいました！
こんな勿体ない言葉を聞ける私は、本当に恵まれていると思います・・
言葉の力って、本当に強いですね！