🍀認知症の母【その14】認知症の母、行方不明になる　#認知症の母#人生トントン説

その日、午後11時過ぎ私が熟睡していると、母と同居している兄から「お母さんが、出掛けたっきり帰って来ない」と電話が掛かってきたのです！

「えっ、うそでしょ！！　もう！夜中だよ！！　なんでもっと早く連絡してくれなかったのよー」
直ぐに娘に連絡し、車を出してもらう事にしました！

それから朝方まで一緒に探し続けましたが、範囲が広すぎて、、
とにかく警察に探して貰うしかないと思い、警察署の方へ行きましたが、警察では「調書を取りますので、9時過ぎに来て下さい」と言われ、やっぱりそんなものかと・・
その後も思い当たる所を必死に探しましたが見つからず、警察署に行き調書をとり行方不明者として探して貰う事にしました。

それから二日が過ぎ、警察からも連絡がなく、色々な所を探し回りましたが見つかりません、、　とにかく、自分の足で帰って来てと祈り続けながら、母が無事に帰って来た時に、暖かい布団で寝かせてあげたいと部屋を片付けに、娘と一緒に実家へ行く事にしました。

居なくなってから三日目、物で溢れかえっていた部屋を母がいる時には片付けられなかったので、片付ける事にしました。

そんな、不安な気持ちでの掃除の中、
娘：「おばあちゃん、こんなに同じ物いっぱいしまってある、これ必要？」
娘：「あっ！1000円！　ここにも1000円！」
私：「誰かに盗られちゃいけないからって、色んな所に隠しているのよ。　この間なんか、千円札靴下の中に隠してたから！　　とりあえず、それは、おばあちゃんからのお掃除代という事で貰っときなっ」

私：「ていうか、お金が気になって邪念が入ってくるわぁ～(笑)」
娘：「だねっ(笑)　今度、おばあちゃんにスパイアイテム買ってあげようかなっ」

ようやく掃除も終わり、父の老人ホームが実家の近くにありましたので、娘と一緒に父に会いに行きました。

私が運転し向かっている、その時です！！
遠くの歩道に母が呆然と立っているのが見えたんです！
「あっ！！　お母さんだ！！」
私は慌てて車を止め、母に駆け寄り抱き締めました！
「お母さん、何処行ってたのよー　よく帰って来られたねー　自分で戻って来てくれたんだ、ありがとーありがとー」と言いながら泣いていました。

兄と警察に連絡し、そのまま母も連れて父の施設まで行き、娘と4人でファミレスで昼食をしました・・　父には母が居なくなった事は心臓の負担にもなるので伝えてありませんでした。　それにしても、何事もなかったように、楽しそうに食事をしている二人を見て、娘と私は「なんだかねぇ」と笑いながら溜息をついてしまいました。

後日、叔母から連絡が入り、「様子がおかしかった」との事で実は認知症になってしまったと初めて伝えました。　ただ、不思議な事は認知症の母には到底たどり着かないような場所なんです。　徒歩ではもちろん何日も掛かりますし、バス電車バス徒歩と乗り継いで行くような所です。　様々な見えない力が働いて、母を守ってくれたんだと心から感謝しています。

********　次に続く　********